今どきカラダに異変があると多くの人がまず意識を向けるのは「食事」について。”カラダは食べたものでつくられている”という、もはや聞き飽きた言葉が世に蔓延る。もう何度も書いているけれど、絶対的にそれは間違いではありません。けれど、食べたものだけでできている訳ではありません。
そこには深い話もたくさんありますが、今日は基本的なお話をさせていただこうと思います。その手始めに多くの人がわかっているようでわかっていないお話から。
それは、”何を食べるか”の前に、食べたものを”どうやって受け取るか”ということ。
どんなにいいモノを食べようが、それをしっかり受け取り、カラダの隅々まで届けることが出来て初めて身になるのですから。口に入れておいしさを味わって終わりでは、カラダづくりには大して役に立ちません。そう言い切るのには訳があります。今日はそれをお伝えしたいと思います。
目次
口に入れ、飲み込んだらおしまいではない
勘のいい人ならもう何のお話かわかると思いますが、食べたものは消化器官を延々と旅して体内を巡ります。その消化器官の入り口が「口」です。そこから食道を通り最初に行き着くのが胃袋です。まさにこれは袋状の臓器。その袋の中で消化が行われます。
ちなみに、”消化”と”吸収”の違いはスパッと一言で説明できますか?多くの人が”消化吸収”とひとつの言葉になっていて、それぞれの意味がとても曖昧な理解でいます。
消化とは、食べたものを吸収しやすい形にすること。吸収は文字通り、カラダに吸収することです。その消化の多くを担うのが「胃」です。そして、そこで消化されたものが送り出され、十二指腸、小腸、大腸と運ばれて行きます。
ここではざっくりこの程度の記述で進めますが、主にこれら腸の器官で残りの消化から吸収までを行います。だから、食べたものの栄養を受け取るのは腸で行われるということ。おそらくここまでは知ってる人も多いですよね?
では、その次はどこへ行くのでしょう?
そう質問されると、きっと咄嗟に戸惑う人がいるのではないでしょうか?
ほとんどの人が自分の食べたものの行方など関心がないんですよね。おいしくて満足し、お腹いっぱいになり眠くなり、夢の彼方へ。そんな人が多いのではないでしょうか?
カラダの好不調の多くを担うのはコレ!
腸は大切!という認識は今や多くの人が持っています。さらには、腸内細菌の重要性なども認知度が高いかと思います。
しかし、どんなに腸を整えたところで、腸だけでカラダが機能する訳ではなく、カラダはすべてが協力して機能します。まずこれを多くの人がわかっているようでわかっていないということ。なぜ、そう言い切れるのかというと、どこか悪いとすぐに薬を飲む、その悪い部位に何かしらの治療を受けに病院や治療院に行く、そんな人がほとんどだからです。
もちろん、ツラい症状は一刻も早く取り除きたいので、その行為自体はよいのですが、ツラい部位にしか意識を向けない、症状が改善したらまた元通りの生活へ戻る、そんな感じでは何ひとつ根本的には改善されません。だから、そういう人は同じことを何度も繰り返す羽目になるのです。
あまりお説教じみたことは言いたくないので本筋に戻ります。
腸で受け取った栄養素はどこへ行くのでしょう?
という質問に答える前に知っておきたいことがあります。それは、腸から受け取る栄養素はどこが受け取るのでしょう?
ちょっと意味がわからない人もいますよね?
言い換えるなら、腸で受け取った栄養素はどうやって次の場所へ行くのでしょう?
口から入った食べ物は、食道→胃→十二指腸→小腸と、ここまではずっと”消化管”という1本道を通って来たのです。そして、小腸でこし取られた栄養素はここで初めて消化管を離れるのです。
答えは、血液に乗って血管を通ります。そして、次なる目的地は肝臓です。ここに一旦集められ、あるものは貯蔵されたり、あるものは解毒されたりして、また血液に乗り、心臓へと向かいます。そして、そこから全身の細胞へと血液に乗って運ばれて行きます。
ということは、血液の流れ、つまりは”血流”が健康の大きな鍵を握るということです。
血液に乗せて送り出したら必ず届くとは限らない
今や日本のほとんどの場所は、ネットで買い物をすれば翌日には届くくらい、物流システムが整備されています。同じようにカラダの中で物質の運搬を担う血液も、縦横無尽に張り巡らされた血管網を通り、概ね生きるのに必要な物質を細胞まで届けます。
しかし、人によっては所々で血管網が細胞まで伸びていなかったり、伸びてはいるけれど血流が悪く、途中で滞りがちな人もいるのです。
その結果として、冷えや肌のトラブル、肩や腰の痛み、むくみ、疲労感・倦怠感など、他にもたくさんありますが症状として現れたりする訳です。
そして、こういう症状の多くに対して人は、「年齢」や「更年期」のせいにしたりするのです。まるでそれらが影響ないとは言いませんが、その原因の大半は、自分の生活習慣によるものです。自分の日々の行動を脇に置き、年だから仕方ないとか、そろそろ更年期かしら?と言っていては100%改善することはありません。
そして、病院に行き何かしらの薬を飲む、サプリを飲む、ホルモン補充療法をするなど、対症療法に明け暮れるのです。ハッキリ言いますが、このようなものに頼らずとも多くの症状は改善します。基本的な生活の見直しだけで対処できるのです。
まずは、自分を知ることです。
以下のチェック項目にいくつ当てはまりますか?
◻︎肌がくすみがち
◻︎手足が冷えやすい
◻︎肩こりが強い
◻︎便秘がち
◻︎皮膚のトラブルが多い
◻︎生理痛がひどい
◻︎目が疲れやすい
いくつ当てはまりましたか?
もっと他にもありますが、これらは私が仕事の上でよく見かける血流の悪い人の傾向です。
そして、どれも薬など必要ないものばかりです。
本当に改善したいなら知っておくべき大切なこと
食事の話から始まった今回のお話ですが、おそらく想像していなかった展開だった!と驚いている人もいるのではないでしょうか?
健康に必要な大原則としてよく目にするのは、食事・睡眠・運動だと思います。これは絶対的に正しいです。その上で、いつも意識を向けておくべきものがあります。
それは、「自律神経」です。
これまた別に目新しいワードではないので、改めて驚く人も少ないかと思います。しかし、とことんこれを理解している人は少ないと言わざるを得ません。
基本中の基本ですが、先ほどの食事・睡眠・運動に対しても自律神経が関与します。
【食事】をしている時は無条件に副交感神経が優位になるのです。ただでさえ、交感神経ばかり働かせている現代人が無条件に副交感神経を優位にできる、いわばゴールデンタイムです!なのに、食事をしながら仕事をする、本を読む、スマホいじる、これだけですべてが台無しです。
【睡眠】はいわずもがな、休息の時間ゆえ副交感神経の時間です。なのに、夜中までゲームをする、 YouTube を見る、飲み食いするなど、これも台無しです。
【運動】も言うまでもなく、動けば血流アップするベストオブベストの行動。しかし、多くの人が運動不足で血流が悪いどころか、血管網をどんどん絶やし続けていると言うことを多くの人が知りません。さらには、日々たくさんのストレスで、血流を司る自律神経のバランスを乱しています。
いかがでしょうか?
〇〇にいい食べ物に意識を向ける前に、食べたものを十分に受け取れるカラダであること。さらに、受け取ったものをしっかり細胞の隅々まで届けることが重要だということをご理解いただけたでしょうか?
ホンモノの「整える」とは、こういう基本的なことを踏まえて行うもの。
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