
先日、興味深い胃の不調を訴えるお客さまがいらっしゃいました。お話を伺うと、きっかけは料理中の誤った「レモン果汁かけ過ぎ」だったそうです。
まぁ酸っぱいけど大丈夫とそのまま料理を食べたところ、後から胃がおかしくなり、数日間も不調が続いていたとのこと。
私が鍼の施術をしたところ、その場で症状はキレイさっぱり消えて快調になったのですが、ありそうでなかなかない事例ですよね。
そこで今回は、このお客さまの実体験を元に、レモン果汁の影響、逆流性食道炎のメカニズム、そして鍼灸治療の可能性についてお話しします。
目次
事件の始まり:レモン果汁ドバッ!と胃の悲鳴
お客さまは週末に料理をしていて、うっかりレモン果汁をドバっとかけ過ぎてしまったそうです。
仕方なくそのまま食べたところ、食後しばらくしてから胃に違和感と不快感を感じ始めました。
この症状、実は「逆流性食道炎」のサインだった可能性が高いです。
レモン果汁が胃に与えた影響
レモン果汁は強い酸性です。これが胃に入ると、以下の影響を与えます。
- 直接的な刺激: 強い酸が胃の粘膜を直接刺激します。
- 胃酸の分泌促進: 酸性の食品が体内に入ると、胃はそれを中和しようとして、もともと持っている胃酸の分泌をさらに促進します。
これにより、胃の中は酸性度が高まり、その酸が食道へ逆流しやすくなります。
なぜそんな簡単に「逆流」してしまうのか?
健康な人でも軽い逆流は起こります。
症状が出る人は「胃と食道のつなぎ目の機能」が低下している可能性があります。
現代の生活習慣は逆流をかんたんに起こしやすい環境にあります。
- 下部食道括約筋の緩み: 食べ物や嗜好品(脂肪分、コーヒー、アルコール、タバコなど)で筋肉が緩む。
- 腹圧の上昇: 肥満や姿勢の悪さでお腹が圧迫される。
- 食習慣: 食後すぐに横になる、食べ過ぎ・早食い。
- ストレス: これが非常に重要です。
ストレスと自律神経、そして胃腸の密接な関係
「胃が痛い」「胃がキリキリする」という症状は、ストレスと深く関わっています。これは「脳腸相関」といって、脳と胃腸が神経で強く繋がっているためです。
ストレスがかかると、カラダを活動モードにする「交感神経」が優位になります。
- 交感神経が優位な時の影響:
- 胃の動きが低下: 本来、消化を促す副交感神経の働きが抑えられるため、食べ物が胃に停滞しやすくなります。
- 胃酸分泌の乱れ: ストレスの種類や反応によっては、胃酸が過剰に分泌されることがあります。
胃の動きが鈍くなり、胃酸だけが増える。こうなると、胃酸は行き場を失い、食道へ逆流しやすくなるのです。
鍼治療で胃の不調が消えた理由:経絡と自律神経
さて、今回のお客さまのケースに戻りましょう。
私の鍼治療は、今回のケースに限らず不調の部位には直接は鍼を打たず、手足などにある「経絡(けいらく)」のいわゆるツボに鍼を打ちます。
今回も胃の辺りには打たず、首から上と足首から下に数本の鍼を打っただけ。すると、長引いていた胃の不調がその場で改善したのです。
これは、鍼治療によって「経絡の流れが整い、結果として自律神経のバランスも整った」ためと考えられます。
東洋医学では、体内のエネルギーの流れを経絡と考え、その流れをスムーズにすることでカラダの回復力を高めます。経絡が整うことで、交感神経優位だった状態から、消化・回復モードである副交感神経優位の状態へスムーズに移行できたのです。
胃の動きが改善し、過剰な緊張が解けたことで、胃酸の逆流や不快感が解消されたと考えられます。
ここが最大のポイント!
でも、多くの人がこんなシンプルなことに気がつかないのです。
まとめ:思い当たる人は気をつけましょう!
今回のケースは極端な例でしたが、逆流性食道炎は誰にでも起こりうる現代病です。
◻︎食べ過ぎ、飲み過ぎ
◻︎食後すぐに横になる習慣
◻︎日常的なストレス
◻︎姿勢の悪さ
これらに思い当たる方は、ぜひ生活習慣を見直してみてください。
そして、もし胃の不調が続くようであれば、薬だけに頼るのではなく、鍼灸治療という選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。
多くの方がご存知ないのですが、鍼はその場で即効果が出ます。それが鍼の最大の利点です。
しかも、局所に化学的に作用するのではなく、経絡を整えることでカラダ全体の流れを整えます。結果として、根本的な体質改善に繋がる可能性も大いに期待できます。
胃腸はある意味、健康の基本であり、快適な生活の土台です。
もっと日頃からご自身のカラダと向き合い、大切にしていきましょうね(^-^)
//////////////////////////////////////////////////////////////
カラダの気になることなら何でもご相談ください!
表参道、明治神宮前、原宿の3駅より徒歩圏内です。
本気でカラダづくりをしたい人は
いつでもお待ちしています。