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鍼灸師が自ら体験!「受傷直後の鍼治療はNG」は誤解だった?驚きの鎮痛効果を徹底解説
こんにちは、表参道BODY TIPSの亀田です。
普段、鍼灸師として多くの方の痛みや不調に向き合っていますが、先日、自分自身が経験した「ある出来事」を通じて、改めて鍼治療の可能性と科学的な奥深さを実感しました。
それは、「受傷直後の急性期には鍼は使えない」という固定観念を持っていた私にとって衝撃的な体験でした。
今回は、ロキソニンを飲んでも治まらなかった激しい痛みが、たった一度の「患部に触れない鍼治療(経絡治療)」で劇的に楽になった実体験と、その裏側にある医学的な理由を、専門用語も交えながら分かりやすく解説します。
「鍼って効くの?」「受傷直後は冷やすだけじゃないの?」と思っている方にこそ、ぜひ読んでいただきたい内容です。
私を襲った激痛と、ロキソニンの限界
先週、私は道路で激しく転倒しました。骨折こそありませんでしたが、手をついた右手首よりも、なぜか直接は打撲した形跡のない肋骨部(胸部)に強い痛みが出ました。
受傷した2日後には、たくさんの人の治療をする仕事が入っていたため、普段は薬に頼らない私ですが、背に腹は代えられないと覚悟し、市販のロキソニン(非ステロイド性抗炎症薬:NSAIDs)を生まれて初めて自分で購入し、服用して仕事に臨みました。
しかし、結果は満足いくものではありませんでした。
- 鎮痛効果は一時的:仕事中はある程度は楽でしたが、作用が切れるとまた痛みが戻る。
- 副作用に悩まされる:普段薬を飲まないせいか、激しい下痢に見舞われました。
まさに、”痛み止め”的効果は感じても、総合的には不満足な結果に終わりました。その後、自然治癒的に少しずつ痛みは引いていくものの、不自由ない状態にはなかなか戻りませんでした。
5日目の決断:鍼を打ってみたら「劇的に楽になった」
受傷から5日目、痛みが亜急性期に入ったこともあり、「これは一度、自分で鍼を打ってみるか」と決意しました。
正直なところ、私も以前は「炎症が強い急性期に鍼を打つと血流が良くなりすぎて、かえって痛みが増すであろう」と考えていました。
しかし、自分で治療してみた結果、驚くほど痛みが楽になり、その変化に自分自身がいちばん驚きました。
なぜ、ロキソニンでも完全には抑えられなかった痛みが、鍼治療でここまで改善したのでしょうか?
昔の常識 vs 今の常識:治療スタイルの違いが結果を分ける
私が「急性期はNG」と思っていたのは、私自身の昔の鍼治療のスタイルにあります。
昔のスタイル:「阿是穴(あぜけつ)」に直接アプローチ
昔は、痛みのある場所(阿是穴)に直接鍼を打つスタイルでした。ゆえに、炎症が起きている患部に直接刺激を与えれば、確かに痛みが増すリスクや、組織を悪化させる可能性もあるので、急性期にはまず使いませんでした。
今のスタイル:患部に触れない「経絡治療(遠隔療法)」
しかし、現在の私のスタイルは経絡治療です。いわゆるツボと言われる経穴を用いるため、アプローチがまるで異なります。
痛みのある肋骨部にはほぼ鍼を打ちません。
患部とは遠く離れた頭や足のツボに鍼を打ちます。一見、不思議に思えるかもしれませんが、これが東洋医学の「経絡」という体のエネルギーラインを使ったアプローチです。患部を刺激せずに治療効果だけを引き出すため、炎症が強い急性期でも安全かつ効果的にアプローチできます。
ロキソニンと鍼治療:作用機序の決定的な違い
ロキソニンが「患部の炎症」に作用するのに対し、鍼治療は「患部に触れず」に、からだが持つ本来の鎮痛・治癒システムを包括的に活性化させます。
- 1. 全身の鎮痛効果(内因性オピオイド)の放出
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- 脳内麻薬(エンドルフィンなど)の放出: 鍼刺激が神経を介して脳に伝わると、脳下垂体や脊髄からエンドルフィン、エンケファリンといった強力な「内因性オピオイド(体内で作られる麻薬様物質)」が大量に放出されます。これらはロキソニンよりもはるかに強い鎮痛作用を持ち、痛みの感覚そのものを広範囲にブロックします。
- 2. 自律神経系を介した抗炎症作用と血流改善
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経絡治療による遠隔刺激は、交感神経の過緊張を和らげ、副交感神経を優位にする働きがあります。
血流改善と治癒促進: 副交感神経が優位になることで血管が拡張し、患部への血流が改善されます。新鮮な酸素や栄養素が運ばれ、炎症性物質は効率よく排出されます。結果として、炎症をコントロールし、自然治癒力を高める方向に働くのです。
まとめ:急性期こそ鍼治療という選択肢を
「受傷直後はまずアイシング」
「急性期に鍼はNG」
私もそう思っていましたが、今回、鍼灸師である自分自身が身をもって体験し、その固定観念は覆されました。
適切な診断(骨折の可能性を排除するため医師が行うもの)と、患部に触れない経絡治療というアプローチがあれば、急性期であっても鍼治療は強力な疼痛管理の選択肢となり得ます。
もし今、あなたが捻挫や打撲、ぎっくり腰などの急な痛みで悩んでいて、薬の効果に限界を感じているなら、ぜひ一度、鍼治療を試してみてください。
表参道BODY TIPSでは、今回ご紹介したような科学的根拠に基づいた施術を行い、たくさんの人の健康をサポートしています。
急性期の痛みから慢性的な不調まで、何でもお気軽にご相談ください。
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